ソーシャルワーカー事務所 長楽庵は、精神保健福祉士・社会福祉士の国家資格をもつ独立型個人事務所です

「自分の軸」を見つけるのには時間がかかる−福祉の仕事で経験したこと−

援助の仕事で何を大切にしたいのか。

私はなかなか分かりませんでした。

「譲れないこと」が自分の中にありそうなのに、それが言えなくてモヤモヤしてしまう。

だから同僚にも伝えることができず、迷惑をかけました。

記録を読み返していると、なぜか「引っかかる」ことがありました。

自分が書いた記録でも、他の人が書いたものでも。

たとえばこんな内容です(放課後等デイサービスをイメージした例示)。

  1. 公園で○くんはネコを見つけると、勢いよく追いかけていった(付き添い時の注意点が続く)。
  2. 公園で○くんはネコを見つけると、嬉しそうな顔で近づいていった。仲良く遊べるように「ゆっくり待ってから撫でてごらん」と伝えたところ(○くんの様子が続く)、

1つ目は、転倒や道路への飛び出しの注意を促しています。申し送りとして、大切な内容だと思います。

2つ目は、過ごし方に配慮した覚え書きのような内容です。こちらも他の援助者に参考になります。

私は、2つ目を好む傾向がありました。

なぜだろう。ああ、自分が「大切にしたい基準」はこういうところかなと思って、徐々に自覚するようになりました。

  • しょうがいのない子どもが当たり前に経験するような「普通の放課後」を過ごす。
  • 楽しい経験をする。しょうがい児のための経験ではなく、子どもの日常として。

こんなことを自分は考えていたのだと思いました。

こうやって言葉にするまで、何年間か必要でした。