2022-08-25
先日、精神科ソーシャルワーカー歴60年以上の先生のお話をお伺いしました。
一つ一つのお話が、私には歴史上の出来事・登場人物なのに、先生にとっては生き生きとした体験談としてよみがえります。
例えば「ジョーンズの治療共同体」。
精神保健福祉の教科書に必ず出てくる事柄です。
なんても、ジョーンズ先生はお酒がお好きな先生だったとか。そんな教科書には載っていない話も含めて、当時の様子を伺いました。
最近「レジェンドの誰々」とか「伝説の何々」といった修飾語を目にすることが多くなったと思いませんか。
それは風潮なのか、なんとなく言葉の意味が軽くなったように感じます。
レジェンド(伝説)って…
「どう頑張っても、自分には到達できない場所にいる人」
「その発言の奥ゆきの深さに対し、心から敬服すべき人」
そういう人は、きっと、そんなに存在しないのではないでしょうか。
ただ昔話を聞いたから感慨深いのともちょっと違う。その言葉の中には、時の流れを超越し、生きてきた道のりが垣間見える。
今を生きる私たちが聞いても、鮮やかな映像が見えてくる。
だから、敬う気持ちが溢れてくる。
軽々しく使うべきではない言葉「レジェンド(伝説)」が、しっくりくる。
先生のお話を聞きながら、そんなことを思いました。