ソーシャルワーカー事務所 長楽庵は、精神保健福祉士・社会福祉士の国家資格をもつ独立型個人事務所です

対人援助の「やりがい」は現場に行って確かめるのがお勧め−福祉職への転職を考えたら

前回は、働くための条件を明確にという内容でした。終わりに、福祉職への転職を考えたとき、ボランティアに申し込んでも就職のための実習でもいいのですが、まずは体験してみましょうと書きました。今回は人によって「やりがい」の感じ方は異なるし、そこが大切という話です。

「福祉職を続ける厳しさは実際のところ何ですか?」

まったく違う職種から福祉職への転職を考えている人にこう聞かれました。私は、仕事に意義を見いだせなくなった時だと答えました。待遇面の厳しさをイメージする方が多いかもしれませんが、実際はきちんとした職場がたくさんあります。どんな仕事でも同じでしょうけれど、やりたくて福祉職をやっているのに、その理由が失われるのは厳しいです。

福祉職は「援助が必要な人のために」と考えたいところですが、就職するのは福祉施設などの事業所を運営する「社会福祉法人等の組織」です。たいていの悩みの種は、目の前の「人(利用者)」と雇用された「組織」の板挟みにあります。シンプルに言うと、相手の必要とする援助が組織の方針にそぐわないときにどう行動できるかです。

現場に出かけて行って「人(利用者)」に会い、自分が何を感じるかを見つめてみてください。(この感じ方を丁寧に追いかけて、見直していける人が福祉職に向いていると思います。)そして「組織」が期待することを確かめましょう。人と関わりたかったのに、人と関わる時間がないほど「忙しい」のでしたら、あなたが辛くなるのは目に見えています。

以前、「大切にしたい基準」を見つけるのには時間がかかると書きました。私が体験して分かった「やりがい」です。自分がこだわることが身勝手のように感じられて、迷った時期がありました。いま振り返ると、迷いが生じるのはこだわりのヒントだったのだと思います。

あなたが「やりがい」にこだわるのは大切です。福祉職の資格も経験もないとしても、最初から考えるべきことです。人に出会って実際に体験することで、少しずつ明確になってくるはずです。それが結果的に、事業所への貢献にもなるでしょう。

福祉職への転職を検討されている方には、こちら福祉のお仕事(全社協・中央福祉人材センター運営)が参考になります。