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相模原事件の判決から1年が経って

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相模原事件の判決が出た日から、1年が過ぎました。被告人は上告せず、死刑が確定しました。
極刑が決まると、もう面会は認められず死刑囚から話を聞くことはできません。

一審で終わったことが私には心残りでした。彼がこの事件を引き起こした理由のなかに、私が考えるべきことがあると思っています。動機をはじめ、もっと事件を解き明かしてほしいと感じていました。

衝撃的な事件だったと、過去形で語るわけにはいきません。いまも人権がないがしろにされた出来事が後をたたず、現在形の話として受けとめています。

個人の罪だけに終わらせず「社会の課題」として共有するにはどうすればいいのか、社会の一員である私はどんな行動をとるのか。これからも考えていきたいと思います。

今日の神奈川新聞にヘイトスピーチの記事があり、こんな断り書きが目にとまりました。

「おことわり」
記事には差別的な文言がありますが、そのまま報道します。差別の実態を共有し、あらゆる差別を許さない社会をつくっていく一助にするためです。

「差別」に対して、あんな意見もあるしこんな意見もあるという姿勢は決して受け入れられません。

事件後、死刑囚の主張をそのまま報道したメディアが多かったことを思い出します。差別的な言葉をなぜ報道し、どう扱うのか。考える機会を共有できれば、社会は少しずつ良い方向に変わっていくと信じています。