ソーシャルワーカー事務所 長楽庵は、精神保健福祉士・社会福祉士の国家資格をもつ独立型個人事務所です

あの人が住んでいた街を歩く

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元の住居に戻れない事情を抱えた人がいます。言うまでもなく、暮らしの中で住まいは大事な要素の一つです。司法手続きでは、被疑者・被告人と呼ばれる立場になりますが、判決後 は生活者として、いずれ地域に戻ります。

「住みたい場所、落ち着く雰囲気」などご希望を尋ねると、二通りの答えに分かれることが多いです。

  • 元の地域に帰りたい
  • 新しい土地でやり直したい

ご相談している段階では、何が「良い」のか、確かな答えはありません。また、実現できるかどうか不明だったり、いまはまったく叶わないような諸般の事情があったりします。

いずれにしましても私たちは、お住まいだった環境と候補の居住先には足を運ぶようにしています。「連絡調整」に電話するだけという感覚はありません。

裁判で証言するようなことは何もありませんが、依頼者の話とは別に、自分も体感を通して街の雰囲気や人の様子を感じます。本人の話と私の印象をすり合わせて、今後の相談が進む場合もあります。

今回は、新築分譲マンションの宣伝文句が頭に浮かびそうな都会でした。商店街よりも大型ショッピングモールが似合うイメージです。人の価値観はそれぞれですが、あの人が感じる「暮らしやすさ」とは異なる気がしました。今度、伺ってみたいと思います。

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写真は本文と関係ありません。散歩中に撮りました。