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障害者施設での虐待報道から

2019年7月、県立の知的障害者入所施設「中井やまゆり園」で職員が入所者に虐待をしたという記事がありました。
男性職員が20代男性の肩に、荷物を運ぶカートを強くぶつけて骨折させ、それを事故扱いにして処理したそうです。

虐待はもちろんのこと、加えて事故扱いにした事実に対しては、強く非難されて然るべきです。
ただ、なぜこの職員がこういった行為をしたのか、私は知りたいと思いました。
虐待が珍しくない日常になっていたのか、周りの職員との関係や事業所の管理体制はどうだったのか等々、疑問はつきません。

同園は19年11月の虐待を受け、20年6月に「虐待防止マニュアル」を策定。入所者がけがをしているのを見つけた場合は「確認・情報共有シート」に記入することになっている。だが、取材に応じた職員らによると「書類仕事が増えた」と不満が出ており、徹底されていないという。
(2021年09月27日(月)神奈川新聞21面「中井やまゆり園入所者、職員暴力で骨折 隠蔽か」)

対人援助の現場では、ヒヤリハットの取り組みをしているところが多くあります。
それが機能するところと形骸化するところでは、いったい何が違うのでしょうか。
もし骨折させるような虐待が「事故」になるとしたら、どんな仕組みを導入したところで、それは面倒な「書類仕事」に見えるのでしょう。

2016年7月、同じ神奈川県内の「津久井やまゆり園」で、あの事件は起きてしまいました。

明らかな人権侵害が放置される環境が、施設にあるとしたら残念でなりません。

そして、いまの社会で放置されている問題が気になります。私にとっては、決して「施設の中のこと」ではなく、自分と地続きのところにある課題なのです。