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対人援助を行う事業所では「サービスの質の担保」が重要ですね。
同じサービスのはずが、担う人の違いが質の差になってしまっては、よくありません。援助を担うチームとして、援助を提供する事業所として、質の高いサービスを安定させることが望ましいはずです。
言うは易く行うは難しの言葉通り、質を担保する仕組みが重要なのは分かっていても、実際には援助者の確保に苦戦しているところもあるでしょう。
私はファミリーレストランの少し雑然とした雰囲気が好きです。コーヒーお代わり自由のお店なら、とても有難い。ファミレスのような接客業でもまた、サービスの質の担保に力を注いでいるでしょう。
しばらく同じ系列の2つの店舗に通っていました。
一つはオープンしたての店、もう一つは以前からある店で、どちらも若いウェイトレスが忙しく働いています。メニューや店内の作り、コーヒーお代わりなどのサービスは当然一緒です。
でも、その2店舗の雰囲気はずいぶんと違うものに感じました。ウェイトレス個人の話ではなく、振る舞いが店舗の雰囲気をあらわしているようだったのです。
オープンして間もないお店では、明るく元気に「いらっしゃいませ」と声が響きます。初々しさも手伝って、雰囲気は明るく清々しい。
一方、以前からあるお店では「いらっさいまれ~」と聞こえ、店の雰囲気もだらしなく見えます。不思議なことにどのウェイトレスも、発語がはっきりしません。決して些細なことを指摘したいのではなく、どことなく形骸化したものを感じさせるのはなぜだろうと思ったのです。
マニュアルを作って標準化の教育をしても「サービス」は変容してしまうのでしょう。そこには沢山の要因があるのだとも思います。私が気になるのは、どう質を保つかです。
対人援助の現場では、まず事業所の「質」を共有することが大切だと思いますが、それをどう安定的に保っていくか、まだまだ摸索していると思います。少なくとも、援助者が決められたことをこなしている意識に陥ると、援助の質が下がっていくのでしょう。
あなたの事業所が摸索を続けているとしたら、それ自体が「質」への挑戦であり素晴らしいことです。
オープンしたばかりの店舗は今後成熟していくのか、また足を運んでみます。