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社会福祉法人の第三者委員として、研修に参加しました。
大きな法人で、地区ごとに事業所の担当者(苦情受付)が年1回集まります。
通常の勤務のあと、2時間の研修を毎年続けていることが素晴らしいと思いました。
毎回テーマを決めて、架空事例などを準備する方々の負担は大きいでしょう。
研鑽を積む大切さを分かっていても、実際に行うのは難しいものです。一言で言えば「現場に余裕はない」ので。
とくに事業所の外に出る研修は、現場を支える職員がいるから可能になるのではないでしょうか。
皆さま、本当におつかれさまです。
研修では、ロールプレイを行いました。
進めやすいように、脚本の前半部分が配られます。想定に合わせて「セリフ」は変えてもいいですし、後半の展開内容はグループで考えます。
印象に残ったのは「申し訳ありませんでした」の使いどころです。
職員と話す役が「何が悪かったのか(事業所として)分かっているのか?」とアドリブで問い詰めました。
こう言われると「苦情」をどう理解したのか。そしてどう対応するつもりなのか、はっきりさせなければいけませんね。
演技とはいえ、怒っている人を前にますます状況を悪化させる可能性もあり、緊張しながら誠心誠意お答えしていました。
苦情をきっかけに援助の質が高まるように出来れば、それに越したことはありません。
ただ実際にどうすれば?という点では、ケースバイケースといった曖昧な話にとどまりがちです。あるいは日頃の対応が大切といった話です。たしかに心構えは大切ですが、具体的な方法が分からなければ活かせません。
苦情受付担当者の研修で「苦情をおさめる」ところに意識が向くのは当然です。しかし、おさめようとするよりも、事業所(または法人)としての考え方や姿勢をきちんと示した方が、結果的に良い形でおさまるでしょう。
また苦情が特定の職員(援助者)に向けたものだった場合、組織的な業務改善を提示できると良いですね。心配になるのは、せっかく福祉の仕事に就いた人が、うんざりして退職するような事態です。
日頃から事業所が取り組めること、援助者個人が力量を高めるために練習できるヒントについて、改めて考えます。