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スーパービジョンという言葉がようやく私の中で日常的になってきました。
それまでは、スーパーという響きが「大事だけど、大変なこと」だと思っていました。
馴染んできたのは、日本舞踊のお稽古と似ていると思ったからです。
長楽庵のスーパービジョンをイメージして頂くために、お稽古の話にお付き合いください。
お稽古では、最初に振り付けを見よう見まねで覚え、何度も練習します。
慣れてくると三味線や唄(うた)に合わせて、体が動くようになります。
そうすると細かい手の位置や動き、目線の使い方、姿勢、身体の向きが修正されていくのです。
慣れるまでの繰り返しは、やはり大変です。
単純な動きでも、自分勝手な思い込みや癖できちんと動けません。
何度も繰り返しているうちに、ようやく振り付けの自然なつながりを実感します。
そうすると、スムーズに動けて、音(唄)も聞こえるようになっています。
師匠に励まされて取り組むお稽古は、日常から離れた特別な時間です。
振りつけの意味が附に落ちると踊りやすくなります。
例えば、小さな女の子が戯れているところとか、恋しい人を思って恥ずかしがっている娘とか。
さらに、踊り手としての基礎的な動きも分かると、さらに踊りやすくなります。
例えば、腰を入れて回ることとか、足の動かし方とか。
対人援助の場面でも「相手の話を聴く大切さ」が身体に馴染んでくると、聴き方も変わってきますよね。
分かったつもりで踊れないとき、支援でも同じことがあるなと思いました。
日本舞踊でお稽古を続けるように、対人援助の仕事でも練習を積み重ねる。
スーパービジョンに取り組むと、充実感があると思います。
自分だけの特別な時間です。
踊り終えると汗を一杯かいて、筋肉痛にもなりますが、気分はリフレッシュしています。
うまく踊れない時でも、気持ちが良いのです。
スーパービジョンでも、頭の中は汗をかいて疲れるかもしれませんが、気分はリフレッシュする…
そんな時間になることを目指しています。